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新海監督「君の名は」を今更だけど観ました。(ネタばれあり) [ NO MOVIE NO LIFE !]

映画「君の名は」を観終わった時、何とも言えない爽快感がカラダと心を軽くした。

 

昨年末、病気という訳ではないが体調不良を持て余し、気持ちもくさくさしていた。このまま寝正月を決め込んでも状況が改善しないことは明らかで、かと言って何か行動する気持ちは起きて来ない。
少し前、到底アニメ映画等で感動なんかしそうもない母が、ひょんな事から、この映画を観て、えらく元気になって帰って来た事があった。それにあやかりたく、遅ればせながらお正月休みに観に行ってみた。
 
 
「俺たちは夢の中で入れ替わっている!」

あなたは、「君の名は」のテレビ広告を見て何を想像しましたか? 
わたしは、思春期の男女が入れ替わるなんて映画は昔もあったな。と思った。
入れ替わった男女が恋に落ち、胸キュン青春ラブストーリー、切ない別れがあって、再会する。そんな感じかな?と。

長年の経験から、大勢が良いというものはどこか胡散臭いと思っている。薄っぺらい教科書のような教訓話や甘ったるいラブ話、経験値の低い若者のお安い感動には、わたしには、物足りないだろうとシラケた気持ちでいた。

 

 確かにそういう要素はあった。でも、思っていた話とは大分違った。

首都圏直下型地震の確率って、なんパーセントのでしたっけ?30~70%位だったかなと思う。

3・11以降、わたしは、この世界がこのままのずっと同じでないことを強く意識している。わたしだけではないと思う、日本人の多くがきっと、大切な人、場所、ものから、唐突に引き離される事があることを気がついている。震災に限らない、戦禍なんかで当たり前にあった生活を追われる人は世界中にいる。

「君の名は」では、2人の主人公、瀧くんと三葉(みつは)が、互いの世界を、それぞれの別の目で見つめる事で、日常、人、場所や思いを素直な気持ちで受けとる事が出来る。「こんな毎日やだ」「こんな事やりたくない」とか、家や肉親の関係や言葉が煩わしいとか、そんな事が、他者の目でみると見えてくる真の意味、美しさ、かけがえの無い大事なものだと知る。

見た人が舞台になった飛騨へ行きたがるようだが、わたしは身近な東京の風景に郷愁にも似た愛おしさを感じた。なんでもない日常、歩道橋から見る空、雑踏、自動車の音や電車の揺れ、電車のすれ違う時の衝撃音、そんなものまでいとおしくなって、失われたものへ想いを馳せる未来の郷愁なのかもしれない。

 もうひとつ、この映画のヒットの理由は、二人は「会えば絶対わかる」という台詞に反して、ブレーカーが落ちるごとく、忘却を含む唐突な離別が何度も観客の目の前で繰り返される。「どうして?」とか、「どうなってるの?」という疑問を挟む隙をあたえられない早い展開で、ラストで、観客の共通の祈りが成就する快感にあると思う。

神的(かみてき)なもののイタズラに翻弄される話ですが、目的や仕組みについては、ほとんど説明がない。だから、見終わっても、「うっ?あれはなんで?」なんて所がいっぱいあった。二人の間には3年のタイムラグがあるが、情報社会で、都会も田舎も同じ情報が同時に得られる時代にいくらなんでも気がつくだろう?とか。伏線めいたエピソードや台詞がいっぱいあるのに、しっかりした裏付けがあるわけでもないので、この映画を観てない人にどう説明したらいいのかがわからない。重箱をつつくようにケチをつければいくらでもつけられるような気がする。でも、「まあいいじゃないか?」という気持ちになるから不思議な映画だ。かえって変な宗教観や道徳観がなく、押しつけがましくなくていい。大ヒットのわりに案外、ネタバレしていないのは、上手に説明出来る人がいないからかもしれない。

儚い世の中に、確実な縁を求め、それが、ラストシーンでかなえられる(たぶん)幸福感。RAD WINPSの生死を飛び越えたラブソングが希望を添える。

何度も観てしまう人がいるのは、この幸福感を繰り返し味わいたいというのが、一番にあると思う。

またいつか、心がくたびれて来たら、観てみよう。







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映画「舟を編む」 [ NO MOVIE NO LIFE !]

ゴールデンウィーク初日で街がみんな、なんだか浮かれてて朝からわきゃわきゃしていて、居心地悪い。
しかし、今日しか都合がつかず、やむを得ず、落ち着かない街へ映画を観に出かけた。

原作:三浦しをんの小説を映画化したもの。主演は最近その魅力にはまりつつある松田龍平。
雰囲気のある映画だったし、結構豪華キャストだし、まあまあそこそこ良かったです。
松田扮する馬締くんの純なラブストーリーがスパイスな程度で、
あとは辞書編集の世界を淡々と描いている。言っちゃあなんだが地味な映画だ。ドキドキ感を期待する人には薦められない。
小さな笑いがあったり、人間模様があったり、辞書作りの特殊な世界が面白かったりもあるけど、
原作小説の内容からすると、ダイジェスト版というか、あっさりした出来だった。

わたしが好きなエピソードが数々省いてあって、がっくし!
特に西岡ファンとしては、後に辞書編集へくるであろう人のために仕掛けたいたずらとか?愛妻弁当ならぬ愛人弁当を食べる大学教授を黙らすとこなんか、よかったんだけどな〜。将来奥さんになる人だけが西岡の気持ちをくんでくれている所なんかも、映画の描き方では物足りなかった。
西岡を演じたのはオダギリジョーで、イメージは割と合ってました。そこは満足です。

松田龍平も流石でした。きょど(挙動不審)っていても、どこか魅力的で、その人の持って生まれたオーラを感じました。
馬締君のイメージも出てたし、達者ではありました。
しかし、病院の廊下を走ってしまうシーンで、ほぼシルエットだし、普通に走っているだけかもしれないけど、
かっこいい。20歳代の走り方。駄目です。この時は馬締君はきっともう40近く。20歳代の筋肉で颯爽と走ってはいけないのです。
松田龍平もまだまだ青いなと感じた瞬間でした。
そこだけだけどね。あとは恐るべし!って感じでした。

その後、焼肉屋へ行ったら、めっちゃ混んでいて、帰宅したらどっと疲れました。
そんなわけで、都合つけて、頑張って行ったけど、まあまあそこそこな映画だったので、すかっとはしませんでした。石井裕也監督ってあんまり知らない。これからの人なのかもしれない。

興味ある人は、原作小説を読むべし!
余力あれば・・・映画へ・・・

舟を編む

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  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/09/17
  • メディア: 単行本



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映画「まほろ駅前多田便利軒」 [ NO MOVIE NO LIFE !]

テレビ東京で1月期で放送されていた瑛太と松田龍平の主演のテレビドラマ「まほろ駅前番外地」が終了した。
めちゃくちゃ、笑えて、震えて、最後はぐっとくる。久々に見応えのあるテレビドラマだった。

後世に残るドラマの傑作と言っても過言ではないと思うが、内容がすこし過激なためか?深夜の放送だったため、観ているという人が周りにあまりいなかったのが、残念でならない。もっと、多くの人に見てもらいたいドラマだ。

先日も書きましたが、「まほろ駅前番外地」は、三浦しをん原作の「まほろ駅前多田便利軒」の続編です。
「まほろ駅前多田便利軒」は映画化もされていて、こちらも瑛太と松田龍平。
ドラマの終了間際にテレビでも放送され、観たが、これまたいい映画だった。
監督はドラマと映画では違う人のようだけど、ドラマでも出てくる。刑事の吉村や裏社会の若きボス星君、幼なじみの弁当屋も同じキャストになっていて、ちゃんとリンクしている。こういう脇をかためる人たちも高良健吾や大森南朗など脇役も豪華キャスト!贅沢なつくりだった。
(あれあれ?今ウキペディアで調べていたら、映画の監督は大森南朗の兄ちゃん大森立嗣だし、父ちゃんの磨赤児も出てんじゃん。ひょえ〜家族で1本映画が撮れちゃう。)


原作の小説は未読だけど、間違いなくいいものに違いないと思う。母が買ってきて今読んでいるので、後で借りようと思う。
まほろの舞台は三浦しをんが住んでいた町(町田)がモデルらしい。都会でも田舎でもない。
暗い過去を背負い一人便利屋をしているバツイチ男多田、偶然拾われていつの間にか同居して便利屋を手伝っている中学の同級生仰天。二人が様々な依頼を受けて奔走する中、様々な人間ドラマが繰り広げられる。
脱力した空気感の中、くくく・・・と笑えて、どうなるの?とハラハラさせて、最後はぐっというか、むむっとというか、胸をつかれる。
説明しようがない。兎に角、観るか読むかしてくれ!

主題歌もいい。映画はくるりだし、テレビドラマはフラワーカンパニーだし、エンディングはゆらゆら帝国のしと。ねっねっ、ちょっと来たでしょ。想像して、いいな〜って思ったでしょ!


まほろ駅前多田便利軒 スタンダード・エディション [DVD]

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瑛太演じる多田もいいのだが、感心したのが仰天役の松田龍平!
このドラマと映画ですっかりファンになってしまった。
今まで、わたしが松田龍平に持っていたイメージはダークというかダーティなイメージで、
こんなにコメディもいけると思っていなかった。「まほろ駅前・・・」では、随分笑わせてもらったし、
ほっこり温かくもしてもらった。勿論、影もあるし、狂気もある。
そんな不思議キャラを演じられるのは、松田龍平しかいないと、思ってしまうほどの説得力があった。

是非、いつか、かつて松田優作が演じたテレビドラマ「探偵物語」のリメイクを松田龍平に演じてもらいたいと思う。松田龍平の工藤ちゃんはまた格別だろうと思う。

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そんな訳で、先日テレビ放映された大島渚監督の「御法度」も観ちゃいました。
映画の内容は、いつも大島渚の映画を観た後、感じるように「わかったような、わからないような」気分でした。
でも、松田龍平は良かったですよ。これがデビュー作だそうですが、いきなりでコレが出来ちゃうんだからただ者ではないよな〜。「舟も編む」も観たくなっちゃったよ。馬締さんはまた違った感じなんだろうと思う。
どんな役でも出来るのかな〜、これから凄く楽しみです。

御法度 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
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アニメ「コクリコ坂から」を観た [ NO MOVIE NO LIFE !]

ジブリアニメは劇場に行かないまでも、テレビ放送があると必ず見ている。

ストーリーはさほど物珍しい筋ではないが、劇場版アニメの設定年は1963年。
わたしが生まれる三年前。母は姉を生んだ頃。母の妹が丁度この劇中の登場人物と被る世代だ。
宮崎駿がその年代なのでは?とふんだが、ややずれて宮崎駿は母とほぼ同じだった。
そんな訳で、なんだかほんの50年弱前の日本、横浜の風景が描かれている(新橋も少し・・・新橋は今と雰囲気がほとんど変わらないから、それも笑えた)。その細かい描写の懲りようが、その当時青春を送っていた人たちには、たまらないのではないのだろうか?
自分自身が生きた世界をここまで再現するのは、その時代を生きて来た人間であっても、忘れてしまった部分も多く、このアニメを見て初めて思い出すらしい。宮崎駿と同年代の母は感動しきりだった。
わたしも母の青春時代のエピソードが場面場面で重なり、瑞々しい感動があった。
ガリ版刷りなんて、今の子が見たら、何やってるのか?ハテナだろうと思う。あれ見て、わら半紙やインクの臭いを思い出した。小学校まではあったな。あれで学校新聞とか作っていたな〜なんて、忘れ去られた記憶がぽろぽろと。
あの時代の高校生(まあ、あれは結構な進学校っぽい)は随分インテリだなと思う。海ちゃんをメルちゃんとよぶなんて!まったく、しゃれてんな〜と。カルチェラタンと名の部室棟もパリの地区名だが、いわゆる文教地区なわけで、それを部室棟の通称に使うとは・・・そう考えると今の日本はしみじみ馬鹿っぽいな〜。

コクリコ荘も、港南学園も、架空のものだけど、あの時代の風景や事物は、かなりリアルにちゃんと描かれていると思う。たかが50年弱で日本はこんなに変わっちゃったんだね。諸行無常だね。いつまでもずっと何かがあると思うのは間違えだな。このアニメはあの時代の資料として、後世まで残すといいと思いました。

DVDを買おうかな?と少し思いました。

コクリコ坂から [DVD]

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「るろうに剣心」みちゃった! [ NO MOVIE NO LIFE !]

昔このマンガを読んだはずだけど、映画観てもどんなだったか思い出せなかったので、
原作との描き方の違い云々にこだわることなく、単純に新鮮に見てしまいました。

ストーリーはスッキリ単純です。
ある程度の登場人物と設定が把握出来ると結末も読めてしまう程です。

でも、佐藤健のファンなら、絶対みるべし!

「龍馬伝」で、はじめて知って、「Q10」ではまり。
今はもう大好き。「るろうに剣心」で、さらに惚れ直しました。

わたしは昔から、現代劇と時代劇と両方できる役者さんが好きです。

現代劇も時代劇もやれて、殺陣も上手な役者さんとして、今一押しは、今回剣心役の佐藤健です。
時代劇なんて、若くてかっこ良くて、運動神経のいい人気の役者さんなら、誰だって、そこそこやれるんじゃない?って思うでしょ? 
でも、結構みんな着物切るとみすぼらしい感じになったり、殺陣はへたっぴで、それでは人は切れるまい!って、金属の棒を振り回すだけでも、普通の人はよろよろブレた感じになっちゃうし、西洋の剣型の剣と違って、日本刀は細身の片刃だったりするわけで、力や反動でなぎ倒す方法じゃ戦えない、独特の戦法なんだよね〜。無駄な負荷をかけたら、刃こぼれしちゃうし、折れちゃうと思う。
それに着流し、または、袴なんて、現代ではほぼ着慣れない物着て、素早く動くなんてさ。案外難しいもの。

あと、佐藤健の「万年目の下の隈」がいいです。
若いのに、隈あんの。
あれが、なんか独特の哀愁を醸し出すの。
だから、「龍馬伝」の岡田以蔵も、「Q10」の平太も、「るろうに剣心」の剣心もどこか哀しいものを背負ってる感じがする。もっともっと見たいな〜。

ただ、マンガの世界観が上手に描けていたけれど、軍服も着物も着こなし(もしかして着付けがいけない?)が全体にイマイチだった。「佐藤君、敷居踏んじゃだめよ」とか、言いたくなるとこも…まあ、マンガだから仕方ないかな? まあ、細かい事気にしたら、折角マンガらしい表現が失われちゃうのかもな!と思って気にしないことにしました。




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