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「心霊探偵八雲5 つながる想い」 神永学 [NO BOOK NO LIFE !]

心霊探偵八雲5  つながる想い (角川文庫)

心霊探偵八雲5 つながる想い (角川文庫)

  • 作者: 神永 学
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2009/06/18
  • メディア: 文庫





注:少し、ネタばれ

幽霊がみえてしまう深紅の瞳を持つ大学生の八雲。ふとした事から八雲がねぐらにしている映画研究会の部室を訪ねた晴香。八雲の能力を利用して事件を解決しようとする後藤。
八雲が幽霊の声を元に事件を解決するというミステリーと心霊もの(ホラー?)が一緒になってるシリーズ小説の第5弾。

箸休め的な軽い娯楽小説だけど、面白さは話の展開もさることながら、一番は登場人物のキャラだと思う。
八雲のひねくれた、でも軽快でリズミカルな台詞。死者に声や姿が見えてしまう運命のため、知りたくない事も突きつけられてしまう上に、異形な深紅な瞳、暗い過去、異常な殺人者の父親に翻弄され危険にもさらされ散々なのに・・・芯にある正常でまっすぐで温かな本質。プラス、事件を解決する頭脳と行動力。と、とにかくこの主人公はとっても魅力的です。
さまざまなハードルをひょいと飛び越え、その本質を見極めて、いつのまにか頑な八雲の心に近づき、かけがえの無い存在となってしまった晴香。

4巻までは事件を追ってるうちに、危険な目に遭う晴香をいつもはクールな八雲が血相をかえて救うというパターンなんだけど、今回は今度は晴香の方が救いに行っちゃうのだ。
闇に取り込まれそうな危うい八雲にとって晴香は明るい世界に引き止めてくれる光のような存在で、八雲自身もうすうすその事に気がついているので、晴香を失いそうになると必死こいてしまうわけなのだけど。普段は皮肉ばかり言って素直になれず晴香に優しくないものだから、晴香も八雲に惹かれているものの素直になれない。
でも今回は逆に八雲が行方不明になる事で晴香にある種の覚悟が生まれるわけなのだ。もう八雲に何言われても晴香の心はぶれない感じ。それが副題になっている「つながる想い」なわけです。

って、随分ネタばれしちゃったなあ。でも、これはあくまでミステリー小説なので、謎解きを楽しめると思います。ヘヴィーな設定だけど、コミック的な小説です(ちなみにコミック化もされてます。お芝居にもなってる。テレビドラマにも向くと思うけど。)。表紙のイラストがちょっとイメージが違うのが残念です。単行本の方が内容と近い気がします。

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