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人の死なない小説「武士道シックスティーン」「武士道セブンティーン」誉田哲也 [NO BOOK NO LIFE !]

武士道シックスティーン (文春文庫)

武士道シックスティーン (文春文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/02/10
  • メディア: 文庫
    武士道セブンティーン (文春文庫)

    武士道セブンティーン (文春文庫)

    • 作者: 誉田 哲也
    • 出版社/メーカー: 文藝春秋
    • 発売日: 2011/02/10
    • メディア: 文庫




    死は誰にも訪れるものとわかっていても、日常の中に埋もれて、強く意識して生活していることは少ない。
    日本に大地震があって、大勢の人が亡くなった。
    死がリアルに生活に入り込んできて、目をそらしようがない今・・・
    娯楽で読んでいる小説でまで、わざわざ死と向かい合いたくない。

    大量無差別殺人事件をテーマにした小説を途中で閉じて、本屋で「人が死ななそうな」本をみつけた。
    それが誉田哲也の「武士道シックスティーン」と「武士道セブンティーン」だ(エイティーンもあるが、文庫化されていないため、未読)
    早苗と香織という女の子が剣道によって、出会い、友情と成長の青春小説。

    香織は中学生全国2位の有名選手。しかし、全国優勝を逃したうさばらしに出場した地域の剣道大会で、まったく無名の選手にひどい負け方をしてしまう。無名の選手というのが早苗である。早苗は父親が事業に失敗し、出ていってしまい、家庭事情は複雑、争い事が好きではない。片や、香織は勝ち負けに異常にこだわるタイプ。はじめは反発し合うふたりだが、やがて・・・。
    出てくる登場人物がそれぞれキャラクターが生きている。

    誉田哲也といえば、「ストロベリーナイト」という小説で有名。先日竹内結子主演でドラマ化されたモノを観たが、面白かった。
    この作家はキャラクターを生かすのが得意らしく、このドラマの登場人物も個性的でおもしろかった。
    「ストロベリーナイト」は「武士道」シリーズと真逆、殺人ショーの話だ。
    ストロベリーナイト (光文社文庫)

    ストロベリーナイト (光文社文庫)

    • 作者: 誉田 哲也
    • 出版社/メーカー: 光文社
    • 発売日: 2008/09/09
    • メディア: 文庫




    「武士道」シリーズの面白かった点は、
    剣道の精神修練的な要素だと思う。剣道をただスポーツとして行うのではなく、生き方の美学という所まで、考え、たどり着こうとする。それが武士道なのだ。
    思うようにいかないこと、理解出来ないこと、意に反する事にぶつかった時どう生きるべきか?
    未熟なイマドキの女子高生が結構悩んであがいてる姿が微笑ましい。

    今の精神的に弱っている時に、なんてまあ都合良く、いい小説に出会った物だ。と、しみじみ思います。
    コメディーの要素もあり、読みやすいです。オススメ![るんるん]

    剣道がテレビで目にする事が少ない競技なので、映像的に想像しにくい点と、ラストの解決の仕方が結構あっさり目なのが、「そんなにうまく行くか?」と疑ってしまう点が、ちょっとだけ気になるところではある。






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