「図書館戦争」 有川浩 [NO BOOK NO LIFE !]
「図書館の自由に関する宣言」から、インスピレーションを得て、描いた小説だという。
本を読むという、インドア的で静の行為と戦うという、アウトドア的な動の行為を組み合わせたタイトルも斬新だと思う。
検閲に反対し、表現の自由を守るというまじめなテーマなのに、
「きゃー堂上教官、かっこいい!」とか、「郁〜堂上に贔屓されてて、ずる〜い」だとか?
「小牧さん、ナ〜イスフォロー(つっこみ)!」とか・・・
終始、ラブコメを読んでる感じの空気感になってしまう。
そして、両方のテーマがなんの違和感もなく、同じ世界に存在していて、すんなり受け入れられてしまう。
流石です。
近未来の日本。あらゆるメディアは監視されるべきと、良化法に基づき強行に厳しい検閲をしようとするメディア良化委員会と、その不当な言論弾圧に武力をもって立ち向かうのが図書館。
図書館の職員の中で、この武力を行使する軍隊が図書館隊。
郁は高校生のときに出会った図書館隊員に憧れて入隊。そこで様々な経験と出会いがあり・・・
なんてあらすじだけど、この小説の面白さはあらすじで説明しても伝わらないと思う。
こんな事あってたまるか!と思うようなおそろしい設定だけど、だって本を守るために本当にドンパチするのだから、恐ろしい話だ。
でも、メディアの規制は結構現実の日本だってうるさい。ぼんやりしていると、いつの間にか、こういう弾圧に負けてコントロールされてしまうかもしれない。決して無いともいえない話なのだ。
図書館の自由に関する宣言の中にある「図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。」という言葉通り、図書館隊がかかんに戦ってくれるので、読みながら拳を握って「そうだ表現の自由を奪われては行けない!」と勇ましい気分になってくるのだ。
ここで軍隊ってのが凄いけど、そこはミリタリー好きな有川浩なだけあって、実に事細かに設定されているので、妙に現実感があるのだ。
この小説の魅力は個性的で魅力的なキャラクターの登場人物だ。
キャラがたってる小説はシリーズものになりやすい。例えば、「温泉旅行」と設定をしただけで、このキャラだったら、こういう事面白い事になると、妄想が止まらなくなるからだ。
実際シリーズ4巻に、スピンオフらしきものもあるらしい。嬉しい楽しみ。
相変わらず、徒然に書いた感想ですまん。ほとんど、自分のための覚え書きに近い・・・
次は三浦しをんへ行こうと思っていたが、まだ借りられていないので、
「図書館戦争Ⅱ」を買ってみたが、これはシリーズ2巻ではなかったみたい・・・
母が川上未映子の「ヘブン」を貸してくれたので、そちらを先に読もうと思う。
川上未映子は「乳と卵」で芥川賞受賞した作家という事は知っているが、今まで読んだことがない。
以前テレビで宮本浩次と対談したのを観た事があって、ちゃんと宮本の話を聞いてくれていたので好感は持っている(笑)。
女性作家は花盛り。読んでも読んでも面白い小説がつきる事は無い。
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